CPU  CPLD  FPGA S7600A,S7601A S1S60000 メモリスティック 開発ツール

CPU編

最近よく使うCPU


大昔は8ビットのZ80が全盛でした、その後HD64180などで、数年前までZ80がコアの
東芝の84C015などを良く使っていましたが製造中止になるということで最近は
新規の開発には使用していません。またNECのVシリーズなども使っていましたが
今ではまったく使用しません。

現在は用途に合わせて以下のCPUを主に使い分けています。
 

PIC
日立H8-300H系
日立SH系


この3種類でほとんどのプロダクトの開発が出来てしまいます。
超小規模開発にはPIC
それで足りない時にはH8-300H系
スピードを要求される場合にはSH系という感じです。
すべてフラッシュROMを内蔵しており当社のような小規模な開発には大変助かります。
 

特に良く使うCPUについてもう少し書いてみましょう。

PIC

これは説明するまでも無いですね。8ピンのCPUなんて大昔を知っている人間にとっては
夢のようです。電源2本だけであとの6本は自由に使えるというのも素晴らしい。
当社では主に16F84(18ピン)を使っています。EEPROMを内蔵している点が嬉しいですね。

日立H8/3067F

このCPUは日立のH8シリーズの、300H系に属するCPUです。
よく知られている石にH8/3048Fがありますが、それとほぼピンコンパチです。
3048と大きく異なるのは内蔵フラッシュの書込が3048Fが12Vを要求するのに対して
5Vで済む点です。
またシリアルが3チャンネル持っているのも助かります。
内蔵フラッシュが128Kバイト、内蔵RAMが4KバイトとなっておりROM容量に関しては
今まで足りないと感じたことはありません。
用途によってRAMを外付けして使います。(最大周波数20M)
開発時にはICEを使用しますが日立純正より日立超LSIシステムズ製かコンピューテックスのモノをお勧めします。
この石もそろそろH8S系列に移行していくかもしれませんが、最近300H-Tinyシリーズというのが
出てきました。
 

日立H8/3664F

Tinyシリーズとなってまして確かにH8/300Hと比べると色々変わってます。
これはディップのパッケージも有ります(ただしシュリンク42)(H8-3664F)
PICでは足りない時などに重宝しそうで試してみたいと考えています。
このTinyシリーズはH-UDIデバッガが使えるので高価なICEをレンタルする必要が無くなります。
と思ったけどU-UDIデバッガだと内蔵ROMのRAM置き換えが出来ないのでICEのように
コンパイル->ダウンロード->実行、というシーケンスが取れないじゃないか。既に焼いてある
プログラムにブレーク掛けられるだけじゃ能率悪いですね。やっぱりレンタルか。 (後ろに使用レポートあり)
H-UDIデバッガの解説読んだら基本的にフラッシュに書き込んで動作させることを前提のようです。
日立のツールを開発人のコラムでは書き換え回数が1000回越えても問題無い(カタログ上は100回保証)と
書いてありました。
しかし、H8/3664FでH-UDIデバッガを使うと2KしかないRAMの1Kを占有してしまうことが判明。これって
結構厳しいかもしれません。
それとH8/3664Fはシリアルなどが今までのH8系列おなじみのレジスタ構成、割込などから外れてます。
たとえばデータ送信するときにデータレジスタに書いただけで送信開始するとか(今までのH8系列のSCIだと
データ書いたあとTDREを落としてやらなければならなかったんです)割込ベクタが4個に要因毎に分かれてたのが
1個になったりとか。
アドバンストモードがなくノーマルモード専用なのでポインタが全部16Bitとか
(アセンブラとCのインターフェースがあるソフトは注意、レジスタ渡しの引数の位置が変化します)
後はタイマが貧弱ですね。
あと、このIICモジュール、とんでもなく使いにくいです。これは仕様決定時にソフト屋さんが入ってなかったんじゃ?
と思うほどひどい。と思ったらやはり後継チップのH8/3694てのが出てきました。IICコントローラの改良がメインの
ようです。3664FでIIC使おうと思ったらソフト制御のほうがたぶん楽です。でも3664NというEEPROM内蔵タイプが
あって、これはIICに直結でI/Oとして使ってはいかん、と一応書いてあるのでしかたなく使っております。
この3664Nに内蔵のEEPROMは通常のNM24C02あたりとコンパチでないので注意が必要です。内蔵のほうが
アドレス部分が2バイトになっています。これでハマりました。
その後実際にH-UDIデバッガである日立純正E10Tエミュレータを使う機会がありました。
後のほうのツールの所にレポート書いておきます。
 
 

日立SH7055F

この石は良く使うというわけでは無いのですが、SH系の中ではユニークな石なので紹介します。
SH系にはSH1,SH2,SH3,SH4と分けられますがこの石はSH2Eと称されています。
SH2+E(単精度浮動小数点)ということのようです。
なんと言ってもこのパッケージの大きさに驚きます(256ピン)
最大の特徴は単精度浮動小数点演算機能を内蔵していることです。浮動小数点積和が1クロック
で実行できます。残念ながらDSPではないので実際にはメモリからのロードなどが発生しますので
レイテンシは増えます。
浮動小数点が使えるとオーバフローなどをあまり意識せずにプログラムが書けるのでホント楽です。
ちなみにSH4などは倍精度浮動小数点演算命令を持っています。

また内蔵タイマが大変多機能で何に使うんだ?と思うような機能もあります。
当社が実際に使った機能としてはパルス逓倍機能があります。
これは本来はギアの歯欠け検出などに利用するようですが、外部のクロックに同期した
n倍のクロックが欲しいことは良くあることです。

この石は自動車制御をターゲットに開発されたようでLANの一種であるCANインターフェースが
2Ch内蔵されています。

内蔵FLASHROMは512Kバイト、内蔵RAMは32Kバイトもあります。I/Oにいたっては最大149本!
ほとんど1個で何でも出来てしまう感じです。
CPUコア電圧が3.3Vで外部は5Vにも対応します。ただし外部にバスを出すと3.3Vだけで構成しなくては
ならなくなります。5Vと混在出来るのはシングルチップモードのみということになります。
SH7055Fでハマったのは、コンテキストスイッチ時に割込処理の先頭から浮動小数点レジスタの
Pushを始めたら内容が化けてしまい時々異常動作を起こすというモノでした。
マニュアルを良くみたら割込処理の先頭から2命令は浮動小数点レジスタをアクセスする命令は
置いてダメなことになってました。これに気がつくまでCPUのバグかと悩みました。

(最大周波数40M)

日立SH7197

SH2-DSPなのですが、ある特別な外部インターフェースが内蔵されています。
それは有名な携帯型メモリデバイスのインターフェースです。
守秘義務があるので詳しくは書きません。
と書いておいたら、公開されました(2000 10/26)
 http://www.memorystick.org/j-index.html
メモリスティックインターフェース内蔵のSH2-DSPです。
SH7198FというFlashタイプもあるのですがパッケージがCSPしか無いので使えませんでした。
7197は外部ROM,RAM接続で使用します。
USBインターフェースも内蔵しています。
これで音系のメモリスティック内蔵携帯用装置が開発できます。
CPUコア1.8V,外部3.3Vで最大周波数78Mhzかなりの低消費電力です。
内蔵MS-IFは1チャンネル(7198Fは2チャンネル持ってます)
シリアルが強化されていてFIFOが送信128,受信384バイトも持っています(SCIF0)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

番外
CY7C63001A
サイプレスの低速USBコントローラ内蔵のCPUです。主にマウスなどに使用されています。
この石はROMがONE-TIMEなので開発用には窓付きのデバイスがあります。(ディスコンらしい)
当社では特殊マウス開発時に使用しましたが、開発ツールが英語版Winでないと動作しないという
現象があり、しかたなく古いマシンに英語版Win98を入れて開発しました。
(その後コンパネで地域をUSAにしてやれば動作するということが判明)
最近外部水晶が必要のない後継チップが発表されたのでそろそろ滅びるかもしれません。
窓付きのデバイス、当社で10個ぐらい確保してますのでご入り用の方、有償でお分けします。
(早いモノ勝ち)

CPLD編

当社ではCPLDにXILINXのデバイスを使用しています。
日本ではアルテラのほうが強いようでアルテラも評価しようとは思っているのですが
まだ着手できていません。
なぜ当社がXILINXかと言えばデバイスの値段というところでしょうか。

昔はGAL(ラティス)を使用していました。デバイスの値段も高く電気も喰うので
ちょっとしたデコーダなどなら通常のHCシリーズなどで組んだほうが安くなるので
余り使わなくなりました。
この時の開発言語はPALASMです(古い)直接ブール代数を記述するモノでした。

で、今はVHDLで回路を記述しています。
ツールがタダという点が大変魅力的でした。
CPLDは内蔵EEPROM(FLASH?)にオンボードで回路を書き込めるので基板に実装したまま
ハードウェアの変更が可能です。また複数チップが載っていてもチェイン接続することにより
書き込み用コネクタは1個で済みます。

XILINXの場合CPLDだと最大フリップフロップが288個までのデバイスしか無いので
これ以上の回路を組もうと思うとFPGAの選択となります。この場合チップ外部に回路のデータを
書き込んだシリアルROMが必要になります(CPUからソフト的に書き込む手段もあり)

アルテラに対抗したのかザイリンクスもFPGAの開発ツールも最近無料化しました。
SPARTAN-IIというデバイスですが、内蔵RAMがあるおかげでかなりの応用が可能となります。
ただしデバイスは2.5Vが必要(I/Oは5Vトレンラントが可能)ですので電源が増えてしまいます。
1世代前のSPARTAN((5Vデバイス有り)はなぜか無料ツールでは開発出来ないのです。
(下のFPGA編参照)

最近わかったのですが、XC9500系列よりXC9500XL系列のほうがデバイスの値段が安いのです。
(約半額)おまけにXL系列のほうが複雑な論理が入ります(違いが電圧だけでない)
新規の設計時には3.3V基準で考えなくてはならないようです。
 

FPGA編

当社ではFPGAもXILINXのSPARTAN-IIを使っています。
値段がとても安いです。5万ゲートで2000円以下。コンフィグレーション用のFlashRomのほうが高かったりします。
CPUからコンフィグレーションすることも出来ますのでそうするとデバイスのみの値段で使えます。当社ではH8/3067と
直結しております(そうするとH8/3067内部のFLASH-ROM約半分をコンフィグレーション用に使ってしまうけど、まだ63Kもある)
おまけに開発ツールはタダ。XSTという合成ツールが不安とCPLD編では書いてますがSPARTAN-IIで
使った限りでは素直に動いてくれました。もともとXILINXが買収したMinc社の物がベースの開発ツールなので
タダのソフトとは思えません。このツールで30万ゲートの石まで開発可能です。
Spartan-IIで特に便利と感じたのはI/O選択肢の豊富なところ、内蔵DLLなどです。内蔵DLLは入力クロック周波数の範囲は
有りますが(最低25Mhz)使えればクロックの2倍、4倍、だけでなくディバイダが1/1.5,1/3などの設定もできるので
作れるクロックが増えます。
別に倍にしなくてもただ入れるだけでジッタ、スキュの低減などで動作可能周波数が上がります。これで対応周波数が
もう少し低ければと感じるのは私だけではないでしょう。(せめて14.318Mhzあたりまで入れたい)
不便と感じたのは、電源が2.5Vと3.3Vが必要なところでしょうか。
またLV-TTL出力などの設定でドライブ電流がプログラマブルに設定可能なのですが、電流制限回路が入っている
わけではいようで、LEDを抵抗無しで点灯させるとかの目的には使用できないようです。

無料ツール困るのはシミュレーションでしょうか。完全なゲートレベルSim.まで可能なModelSimが付属しているのですが
500行越えると超遅くなります(タダなので制限掛かっている)ですのでゲートレベルシミュレーションは例外なく
遅くなり、とっても長いシーケンスのものは走らせる気がしません(それでも一晩動かしたことはある)
でも開発ツールとModelSimの親和性は抜群です。シミュレーション用のVHDL書いてクリックするだけでコンパイルから
波形表示まで一気に走ります。めんどくさいライブラリ設定とかSDFとか意識しなくて良い。
 

その他の石編

S7600A,S7601A(セイコーインスツルメンツ)

TCP/IP + PPP機能をワンチップに詰め込んだ石です。
モデムにてダイアルアップする端末開発に使用しました。
非常に簡単にソケットによるTCP/IP環境が作れます。
この石のイーサネット版が欲しいところです(既に作られているかもしれない)
トラ技などに解説記事は出てますのでそちらを参考に。
ソケットデータ用のバッファは十分ですが、非ソケット通信中(モデム制御中など)の受信バッファは16バイトと
小さいので注意が必要です。
最近(2001-5)
S7601Aという新しいバージョンが出てきました。PAPだけでなくCHAPにも対応して、ソケットバッファが大きくなり
一番嬉しいのが外部バスが5Vトレンラントになったことです。これでH8などと直結可能です。
まだ入手できていませんが7600Aとピンコンパチ、ソフト互換モードあるらしいので置き換えが可能です。
イーサタイプは発表されませんでした。
しかし、S7601Aのマニュアルを読んでやっとS7600Aの割込記述の不備が判明。
これがハッキリしなかったのでモデム制御時などの受信割り込みを使えなかったために苦労したのに。
結局0x0Aのビット7は単純に受信割り込み許可として使ってやれば良いのでした。
S7600Aとの互換モードは一部のビットを除いてほとんど同じです。(割込関連がチョット違う)
S7600Aはチョコチョコバグが出たので全面的に7601Aになってしまうようです。
外部バスタイミングも改善されています。S7600Aの時はデータのホールドタイムの20nsがH8とバス接続する
ときクリアできないためゲート掛けてましたが7601Aではこれが0nsになったのでゲート必要無しとなりました。
S7601Aの内部レジスタはS7600Aコンパチモードと拡張モードがあって、拡張のほうはTCPのタイムアウト
の設定が出来たり色々便利です。まぁ普通の用途ではデフォルトで大丈夫ですが。

でも、なんでPPPなんでしょうねぇ。10BASE/Tにパルストランスぐらいで直結できるデバイス出せば
バカ売れすると思うんですが。
(2001-12追記:EPSONよりS1S60000というTCP/IPネットワークコントローラが出てきました、ドライバの石とこの石+EEPROMで簡単に使えそうです、下記参照)
2001-8,無事7601Aを入手して実装しました。快調です。
DoPa(MobileArk)環境で動いております。
DoPa用モデム9601D,9601Pで動作させていますがこの2機種、微妙に挙動が異なります。
実際の実装時には注意が必要です(9601Pのほうが素直)
9601KOってのも出てきました。ボーレイトがディップスイッチによる固定なので注意!

(2002-07追記:なんとディスコンになってしまいました。あまりにも短命です。IPにして外販するなどの対応出来ないものでしょうか)

S1S60000(EPSON) New!!

TCP/IPコントローラチップです。
QFP100ピンのチップで、このチップとPHYドライバチップの最低2個の構成で10/100Baseイーサネット機器が開発できます。
ユニークなのは外部設定により、スタンドアロンでソケットを張ることができます。その場合は外部EEPROMに必要な情報
(ホストのIPアドレスなど)を入れておけば電源投入と同時にコネクト。その後は非同期シリアル通信するとその内容が
そのままソケット接続先の相手との通信となります。
ということは、既存の232C垂れ流し機器などをそのままLAN対応に変身させることができます(232Cのレベルコンバートは必要) 
このシリアルエミュレーションモード(CPU接続しないスタンドアロンモード)ですが、欠点が一つ。ソケットの状態が
外部からまったく見えないのです。たとえばコネクト完了後にどこかの端子がアクティブになれば良いのですがそのような
機能が用意されていません。相手と繋がっているかどうかぐらいLED1個で表示してあげたいもんです。しかしそのように
するためには外付け回路を付ける必要がありもったいないです。

もちろん各種CPUとのバス接続も考慮しておりその場合は細かな制御が可能です。
DHCPクライアント機能も内蔵されています。
また外部から制御可能な入出力ポート及びI2Cバス機能が用意されており、http:で制御が可能です。
ただしこの機能にはセキュリティが存在しないので機器IPアドレスさえ解れば外部ネットワーク側から制御できて
しまいます。ただしEEPROMの設定によっては外部からの制御を禁止することはできますが、パスワードなどを
使用して特定のユーザのみ制御可能にするという使い方は想定していないようです。
このチップの内部はEPSONのRISC-CPUコア+MIIインターフェース+ソケット制御ファームという構成で
ファームはイーサネット側からのバージョンアップが可能で既にバージョンアップデータが供給されています。
EPSONとしてはFIX後に現在のフラッシュをMASK化した低価格品などを出す計画もあるようです。
今まで結構な値段だった232C->LAN変換BOXなどが駆逐されていくと思われます。
意外なモノがLANに繋がる時代になっていくことでしょう。

で、今動作試験中ですが、量産は7月からの予定でまだES品です。それなりには動いておりますが、まだ
バージョンアップ(ファーム)が必要でしょう、色々問題はありますが時間とともに安定していくでしょう。
チップそのものに起因する問題もありますが量産開始時には問題なくなることを期待しています。
いちおうユーザが自由に使えるプログラムエリア1Kがあるはずなのですが、現時点でその部分に自由にプログラム
できる資料がありません。もしあったとしてもユーザに解放されているRAMが無い!と仕様書には書いてありますから
使えないってことですね。

サンプル価格が@2500円ですが、実際にはコレにPHYドライバとパルストランス、コネクタが必要となりますから
ボード単体だけで単価が@5000ぐらいになってしまいます。
内蔵スタックの各種パラメータがどのようになっているか気になっているのですが(キープアライブタイマなど)
資料が無いので調べるしかないかと考えています。
これは使えると思った機能に、ある端子を変化させるたびにUDPパケットを勝手に投げてくれるのがあります。
応用すると色々使えるかな、と考えています。

2002-07追記:ファームのレビジョンが上がり、チップもES2->ES3になりました、とりあえずES3のエラッタは出ていません
ファームはまだ怪しい感じですが、ハングアップが無くなりました。 

2002-10追記:ファームのレビジョンがRev.18となりました。いつFIXするのやら。
そうこうしているうちにRAシステムズから似たようなコンセプトのTCP/IPコントローラが発表されました。

メモリスティック編

メモリスティック搭載装置の実装を行いました。
ファイル形式はおなじみのFATです。
デバイスは前述したSH7197で内蔵MS-IFを使用しています。
内蔵MS-IFがもう少し使いやすければ良いのですが。

また単体のデバイスとしては富士通などから出ています。(MB86189)

最近(2000 10/25)やっと情報がオープンになりました。
 http://www.memorystick.org/
登録すればドキュメントが入手可能です。
それまではメーカとのライセンス契約をしないと見ることすら出来ませんでした。

さて、今度は実際の実装について書いてみたいと思います。
日立ではミドルウェアも用意しているようですが予算が無くて買ってもらえなかったので
作ることとなりました。

とにかく基本はメモリスティックのブロックリード・ライトということになります。
4MB、8MBデバイスはブロックサイズが8K、それ以上は16Kとなります。
物理ブロック、論理ブロックという概念が登場しますが名前の通り物理ブロックは
デバイス内のアドレス、論理ブロックは該当物理ブロックが論理的に何番のブロックかを
表します。
実際には512バイト単位にページという概念があり、そのページ1個ずつに付随する
制御情報(ExtraDataArea)に自分が実際にはどの論理アドレスなのかを識別するための
情報が格納されます。
まぁこんなことはドキュメントを読めば解ることなので省略。
論理物理変換はアプリケーション側で管理してやらねばなりません
(勝手にやってくれれば楽なのですが)

SH7197のMSIFの使いにくい点はCRCの送信タイミングをソフトウェアにて制御して
やらねばならないところです。DMAなどで一気に1ページデータを送信したらフレームの最後で
勝手にCRCを送信してくれれば良いのにと思います(HDLCコントローラなどでは普通なのに)
クロックは制御IC側(SH7197)が生成しますからオーバーランとかの可能性は無いのですが
上手にドライバ組まないと性能が出ません。

ドライバの作成は低レベルなドライバから作ることにします。
物理ブロックR/W以外には、ブロック消去、初期化、ページコピー、スリープ状態遷移
ExtraDataエリアだけ読込、などを作成しておきます。
メモリスティックはスリープにしていないと結構電気喰いますので、こまめにスリープに
してやったほうが良いでしょう。

次は論理ブロックR/Wを作成します。この中で論理物理変換テーブルの参照・更新を行います。

デバイス挿入時の処理としては

デバイスリセット
ブートブロック検索
ブートブロック読込
バッドブロックデータ読込
物理ブロックステータス+論理物理変換テーブル作成
MBR読込
PBR読込
FAT読込
ルートディレクトリエントリ読込

てな感じで初期化をします。

あとはおなじみFAT,DIR管理です。

メモリスティック系の開発は今後伸びて行くかと思ってたんですが、今のところこの1回だけでした。
 

開発ツール編

日立CPU開発環境HEW

日立純正開発環境であるHEWについて書きます。
開発開始時にMAKEFILEを書いていたのは数年前までで、組込用開発環境においても
GUIによる便利な開発環境が出てきました。
H8,SHともにまったく同じ環境で開発できます。プロジェクトを作成するときに開発するCPUを選択し
Wizardにより雛形が作成されます。(当社ではCPUハードウェア用ヘッダファイル以外の雛形はほとんど使用しませんが)
ヘッダファイルなどの依存関係も自動的に検索され、コンパイルオプションからなにからすべてプロジェクト単位に
設定します。Windows用アプリを作るVisualStudioなどを見慣れていると当たり前のことですが
組込用にもこのような環境が出てきたのは時代の流れでしょう。

標準でCPUシミュレータが付属しており、プログラムをロードし動作させることができます。
このシミュレータの残念なところは割込をサポートしていないのでリアルタイム系の確認まで進められません。
せめてタイマ割込をシミュレートできる機能を付けていただきたいところです。(2001/11次のバージョンでサポートされるらしい)
それでもクロック数から実行時間を割り出したり非常に便利ではあります(バス幅、Wait数など設定可能)

H8用とSH用があり両方をインストールするとプロジェクト新規作成時にWizardでどのCPUを使うか選択します。
H8用は、300,300H,H8SとH8シリーズすべて、SH系もSH1,2,2E,3,4,DSPまでサポートされています。
Cの拡張機能としてはCPUが持つ特殊命令(MACや、EEPMOVなど)をインラインで生成できます。
当然ですがH8系はint=16Bit,SH系はint=32Bit系です。Cの他にC++の使用も可能です。
SH-DSP用ライブラリには一通りのライブラリが揃っています(FIR,IIR,FFTなど)
バージョンアップは日立のホームページから行えます。たとえばH8用(V3.0)は当初リリース後、3個の
サービスパックが出ておりこれを順番通りにすべて当てなくてはなりません。
C++はまだ実際の機器には使用していません(コンパイラアップデート情報を見ると、C++関連の問題修正が
多いので慎重になっています)
最近(2001-4)新しいバージョンが出てきましたがまだアップしていません。
最近(2002)また新しいバージョンが出てくるらしいです。SH系ではヘタにunsignedすると遅いコードが吐き出される
のでしたがアナウンスによると新しいコンパイラはここらへんを改良しているらしいです。まだコード見て無いので
なんとも言えませんが。
 
 

日立エミュレータE10T

H8/3664F用にE10Tエミュレータを使ってみました。
まず気にしていたダウンロードに関してはオブジェクトが小さいせいか(約14K)まったく気になりませんでした。
最大の問題はソフトウェアブレークを付けた状態で実行すると、一旦書き込みが発生して実行まで
数秒、また実際にブレークすると操作可能になるまでまた数秒のタイムラグが発生します。
これはフルスペックICEに慣れた身としては、かなりかったるく感じます。
それ以外の操作性に関しては、HEW付属のソフトデバッガとUIがまったく同じなので
違和感なくソースコードデバッグが進められます。メーカ側も言ってますが、E10Tでのデバッグは
開発終了後のメンテ用なのでしょう。でも当社は新規開発をE10Tで行っています。最大の欠点は2Kしか無い内蔵RAMの
半分をデバッガが使ってしまうことです。
ソフトウェアデバッガなどに比べれば遙かに使いやすいです。またE10Tを単純に内蔵のFLASH-ROMライタとして使えます。
動作中の外部リセットなどもまったく問題無く動作します(ブレーク中はダメよ)
この値段でこの機能なら十分と感じました。でもやっぱりフルスペックICE(現在は純正のE6000しか無い)が
使いたいところです。
 

ICEいろいろ

コンピューテックスのICEが安くて使いやすいです。次に値段が少々高いですが日立ULSI、日立純正は高値の華です。
SH7051の開発時にコンピューテックスのICEがすべて出払っていてしかたなくソフィアのICEを借りました。
ソフィアのはソフトはまぁ使いやすいのですが、トレースユニットが無いと実行時間計測が出来なかったり
ハマったのは、チップカーソル(マウスをソース上に動かすとインスペクトしてくれる奴)をオンにしておくと
リアルタイム実行がどうもおかしくなる。ソース上でマウスカーソル動かしただけで実機では異常動作しておりました。
設定で禁止したらまったく問題無し。マニュアルに書いてないような気がします(見落としてたらゴメンなさい)
今まで一番使いにくかったのは某社のイーサネットで接続するタイプ。ブレークしてもすぐに操作に返って来ないし。
当時はSH7055用のICEが純正以外では某社しか無かったのでしょうがない。今なら日立ULSIからも出ています。

PICライタ

PICライタはラステームシステムズのPIM-1Cを使用しています。
新しいデバイスにはファームのバージョンアップで対応できるかと思っていたのですが、ハード改造も
必要なようでPIM-1Dにバージョンアップするには15,000円必要なようです。
メールの問い合わせになかなか返事を貰えませんでしたが、とりあえず返事は来ました。
でも、新しいの買ったほうが良さそうですなぁ。

ROMライタ

ICE-TECHNOLOGYのSPEED-MASTERを使用しています。
書込ソフトのバージョンアップが素晴らしく、最新のデバイスにすぐ対応します。
もちろんインターネットからフリーでダウンロード可能です。
電池駆動も可能なのでノートとライタを現場に持ち込んだこともあります。
ケチってMICRO-MASTERにしなかったので後悔しております
(MICRO-MASTERだと各種ワンチップCPUに対応する)
しかし、XC17S50A書込対応待っているんだけどマダかなぁ。(2001-9,対応しました)
 http://www.icetech.com/

FLASH-CPU用ライタ

北斗電子のFLASH-2を使用しています。新しいCPUの対応が有料ではありますが、あります。
サポートはしっかりしている感じです。SH7055F書込時にはベータ版を送付していただきました。
 http://www.hokutodenshi.co.jp/

で、最近はフリーのダウンロードソフト(なぜか日立ヨーロッパから落とせます)が便利でそちらを
使っています。232C直結。ボード上でMD端子の状態だけ変えてリセットでOK。232Cを持っている
機器ですとこちらが便利です。

最近日本の日立開発環境のページからも新しいCPUに対応したフリーのダウンロードソフトが
リリースされましたが,H8/3067などはサポートされていません。H8/3069とかの新しいCPU
がサポートされています。
 

(続きはまた後で)

2002/10/24


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